かしこまメガトンパンチ

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【遊戯王】「灰流うらら」の発動可否の判別法【考察】

2019年11月11日、「クロシープ」の裁定が更新されました。

Question
相手が「クロシープ」の『①:このカードのリンク先にモンスターが特殊召喚された場合に発動できる。このカードのリンク先のモンスターの種類によって以下の効果を適用する』モンスター効果を発動しました。

この時、自分は、手札の「灰流うらら」を捨てて、『①:以下のいずれかの効果を含む魔法・罠・モンスターの効果が発動した時、このカードを手札から捨てて発動できる。その効果を無効にする』モンスター効果を発動する事はできますか?


Answer
相手が「クロシープ」のモンスター効果を発動した時、チェーンして手札の「灰流うらら」のモンスター効果を発動する事はできます。

(相手の「クロシープ」のモンスター効果が発動した際に、そのリンク先に儀式モンスターが存在するか・存在していないかによって処理に違いはありません。)

遊戯王 オフィシャルカードゲーム データベース より

ざっくり言えば「リンク先に儀式モンスターが存在していなくても(デッキに触る効果がなくても)ドローする効果を含んでいるので「灰流うらら」を発動出来ますよ」という内容です。

この裁定には「何故撃てるのか」「どこまで撃てるのかわからない」という反応が散見されました。
もちろん、理屈がよくわからないのであればそういった反応が出るのも当たり前だと思います。但し、新しいカードが発売される度に裁定を逐一確認する――も面倒ですよね。

喩え話ですが、数学を勉強する時に「公式を覚える」と「参考書の答えを丸暗記する」のどちらが効率の良い勉強法かは言うまでもありません。
これを「灰流うらら」に当てはめると「発動可否の法則を覚える」と「裁定を全て覚える」のどちらが効率が良いか、という話になります。

ということで、今回は「「灰流うらら」が発動出来る範囲はどこまで?」という内容を検証・考察していきます。

 

 

今回の考察について

大前提として、公式で発動可否の条件を明確に公表していない以上、あくまで今回の内容は「考察」もしくは「法則」となります。
今後、今回考察した内容から逸した裁定が出る可能性も0ではないことは予めご了承下さい。

 

「灰流うらら」の発動可能な条件

まず、「灰流うらら」の発動に関するテキストですが、

  • デッキからカードを手札に加える効果
  • デッキからモンスターを特殊召喚する効果
  • デッキからカードを墓地へ送る効果

これらのいずれかの効果を含む魔法・罠・モンスターの効果が発動した時

とされています。
※以下、「灰流うらら」の発動条件を「デッキに触る」と表現します。

 

さて、先述の「クロシープ」のテキストは、

①:このカードのリンク先にモンスターが特殊召喚された場合に発動できる。このカードのリンク先のモンスターの種類によって以下の効果を適用する。
●儀式:自分はデッキから2枚ドローし、その後手札を2枚選んで捨てる。
●融合:自分の墓地からレベル4以下のモンスター1体を選んで特殊召喚する。
●S:自分フィールドの全てのモンスターの攻撃力は700アップする。
●X:相手フィールドの全てのモンスターの攻撃力は700ダウンする。

遊戯王 オフィシャルカードゲーム データベース より

ですので、効果内に「デッキからカードを手札に加える効果」が含まれています。

Answer
相手が「影依融合」を発動した時、チェーンして手札の「灰流うらら」のモンスター効果を発動する事はできます。

(相手の「影依融合」が発動した際に、エクストラデッキから特殊召喚されていたモンスターが存在するか・存在していないかによって処理に違いはありません。)

遊戯王 オフィシャルカードゲーム データベース より

Answer

相手が「クロノダイバー・リダン」の『このカードのX素材を3種類(モンスター・魔法・罠)まで取り除く。その後、以下を適用する』モンスター効果を発動した時、チェーンして手札の「灰流うらら」のモンスター効果を発動する事はできます。
(「クロノダイバー・リダン」がどの種類のカードをエクシーズ素材として持っているかによって、処理に違いはありません。)

遊戯王 オフィシャルカードゲーム データベース より

Answer
相手が「揺れる眼差し」を発動した時、チェーンして手札の「灰流うらら」のモンスター効果を発動する事はできます。

(相手の「揺れる眼差し」が発動した際に、ペンデュラムゾーンに存在するカードの枚数が何枚であるかによって処理に違いはありません。)

遊戯王 オフィシャルカードゲーム データベース より

「影依融合」や「クロノダイバー・リダン」「揺れる眼差し」なども現在の状況により発動の可否に違いはありません。

ということで、発動条件は「効果内(①などの数字で括られた中)に『デッキに触る効果』が含まれている」だと推測出来ます。

 

「灰流うらら」が発動出来ない条件の分析

「灰流うらら」のQ&Aから、「カードガンナー」などの「そもそも墓地送りがコストである」、「轟雷帝ザボルグ」などの「エクストラデッキに触る効果」などを除き、「「灰流うらら」が発動出来ない」条件をピックアップし、項目ごとに分けて考察・解説していきます。

 

【タイプ①】発動時にデッキに触らないことが確定している

Answer
相手が相互リンク状態の「トロイメア・フェニックス」のモンスター効果を発動した時、チェーンして手札の「灰流うらら」のモンスター効果を発動する事はできます。

相手が相互リンク状態ではない「トロイメア・フェニックス」のモンスター効果を発動した時、チェーンして手札の「灰流うらら」のモンスター効果を発動する事はできません。

遊戯王 オフィシャルカードゲーム データベース より

Answer
「クルセイド・パラディオン」のカードの発動の際に、「パラディオン」と名のついたモンスターまたは、「星遺物」と名のついたモンスターをリリースして発動しているのであれば、カードの発動時の効果処理として、『①:このカードは自分フィールドの、「パラディオン」モンスターまたは「星遺物」モンスター1体をリリースして発動する事もできる。その場合、そのモンスターと元々のカード名が異なる、「パラディオン」モンスターまたは「星遺物」モンスター1体を自分のデッキ・墓地から選んで特殊召喚する』処理が行われる事になりますので、チェーンして手札の「灰流うらら」のモンスター効果を発動する事はできます。

なお、「クルセイド・パラディオン」のカードの発動の際にモンスターのリリースが行われていない場合には、チェーンして手札の「灰流うらら」のモンスター効果を発動する事はできません。

遊戯王 オフィシャルカードゲーム データベース より

Answer
地属性以外の属性のモンスターのみをリリースしてアドバンス召喚された「剛地帝グランマーグ」のモンスター効果が発動した時、チェーンして手札の「灰流うらら」のモンスター効果を発動する事はできません。

遊戯王 オフィシャルカードゲーム データベース より

Answer
相手の「インフェルノイド・ティエラ」が5種類以上のモンスターを融合素材として融合召喚され、モンスター効果を発動しているのであれば、チェーンして手札の「灰流うらら」のモンスター効果を発動する事ができます。
(その場合、「インフェルノイド・ティエラ」の『●』の効果処理はいずれも適用されません。)

なお、相手の「インフェルノイド・ティエラ」が4種類以下のモンスターを融合素材として融合召喚され、モンスター効果を発動しているのであれば、チェーンして手札の「灰流うらら」のモンスター効果を発動する事はできません。

遊戯王 オフィシャルカードゲーム データベース より

非相互リンクの「トロイメア」リンクモンスターや、発動時にリリースを行っていない「クルセイド・パラディオン」など、「発動の時点でデッキに触らないことが確定している」ので、デッキに触る効果と見做されないタイプ。

前述の「クロシープ」や「影依融合」などは(屁理屈ですが)「処理時にリンク先に儀式モンスターが存在すればドローできる」「処理時に相手フィールドにエクストラデッキから特殊召喚されたモンスターが存在すればデッキに触る」という可能性が残されています。

類似の裁定で言えば「スターダスト・ドラゴン」があります。

Answer
「時の魔術師」や「スナイプストーカー」等のように、コイントスやサイコロの出た目によっては、カードを破壊する処理が行われない効果の発動にチェーンして「スターダスト・ドラゴン」の効果を発動する事はできません。

しかしながら、お互いのフィールドにモンスターが存在する状態にて「時の魔術師」の効果が発動する場合には、コイントスの結果がどちらになる場合でもフィールドのカードが破壊される事になりますので、チェーンして「スターダスト・ドラゴン」の効果を発動する事ができます。

遊戯王 オフィシャルカードゲーム データベース より

「スターダスト・ドラゴン」は、「発動時に破壊が確定していない場合効果を発動することが出来ない」という裁定が出ています。

「灰流うらら」はその逆(?)で、「発動時にデッキに触らないことが確定している場合は効果を発動出来ない」ということでしょう。
「トロイメア・フェニックス」が「効果処理時に相互リンクだった場合、1枚ドローする」、「クロノダイバー・リダン」が「発動時に(コストとして)エクシーズ素材を取り除く」というテキストであれば、「灰流うらら」の裁定は異なっていたでしょう。

 

【タイプ②】効果処理とは別に『デッキに触る効果を”発動”する』状態を適用する

Answer
相手が「ヒュグロの魔導書」のカードの発動を行った時、チェーンして手札の「灰流うらら」のモンスター効果を発動する事はできません。

遊戯王 オフィシャルカードゲーム データベース より

「ヒュグロの魔導書」のカードの発動に対して「灰流うらら」は発動できません。

「デッキに触る状態を適用する効果には発動できない」のようにも見えますが、「デッキに触る状態を適用する効果」を持つ「増殖するG」や「トラックブラック」に対しては「灰流うらら」を発動することが出来ます。

Answer
相手が手札の「増殖するG」を墓地へ送って、そのモンスター効果を発動した時、チェーンして手札の「灰流うらら」のモンスター効果を発動する事はできます。

遊戯王 オフィシャルカードゲーム データベース より

Answer
相手が「トラックブラック」のモンスター効果を発動した時、チェーンして手札の「灰流うらら」のモンスター効果を発動する事はできます。

遊戯王 オフィシャルカードゲーム データベース より

「ヒュグロの魔導書」との違いですが、後者二枚は「デッキに触る際に新たなチェーンブロックが組まれない」という点で異なります。

つまり、「増殖するG」「トラックブラック」は「別で発動する効果が無い以上、その効果処理に『デッキからドローする』効果を含むと見做されている」と考えられます。

「皆既日蝕の書」も後半の処理はチェーンを組まず「灰流うらら」に引っかかります。

Answer
相手が「皆既日蝕の書」を発動した時、チェーンして手札の「灰流うらら」のモンスター効果を発動する事はできます。

(相手の「皆既日蝕の書」が発動した際に、自分のモンスターゾーンに表側表示モンスターが存在しているか・存在していないかによって処理に違いはありません。)

となると、「カードの効果処理とは別に『デッキに触る効果が”発動”する』状態を適用する」カードの発動時の効果処理は「あくまで『デッキに触る効果が別で発動する状態』を適用する」であり、「灰流うらら」は「条件を満たして”発動”した時に撃ってくれよ」ということでしょう。

 

本当に?????

 

ここに関してはこの4枚を比較するとこう表現するのが正しいのかもしれないですが、そもそもヒュグロ側の判断材料が少ないので暫定的にこの表現とさせて下さい。
ツイッターで類似の効果を持つカードを探しましたが、当て嵌まるカードが見つからなかったのでこうなりました。

また、こちらの考え方は次のタイプにも当てはまります。

 

【タイプ③】効果を書き換えるタイプ

Answer
相手が「王の支配」の『その相手の効果は「お互いのプレイヤーは、それぞれデッキから1枚ドローする」となる』効果の発動を行った時、チェーンして手札の「灰流うらら」のモンスター効果を発動する事はできません。

 遊戯王 オフィシャルカードゲーム データベース より

「王の支配」は、自身の効果処理で「ドローする効果に変換する効果」を処理し、実際にドローするのはその処理が施された効果処理時のため、「灰流うらら」に引っかかりません。


「あなたはドローする効果ですか」
「いえ、私(自身)はドローする効果ではありません」


という抜け道のようなものですね。

こちらはタイプ②と比べるとわかりやすい裁定です。

 

【タイプ④】そもそも特殊召喚するカードがモンスターではない

Answer
相手が「マジカルシルクハット」のカードの発動を行った時、チェーンして手札の「灰流うらら」のモンスター効果を発動する事はできません。

遊戯王 オフィシャルカードゲーム データベース より

Answer
相手が「死の宣告」の『自分の手札・デッキ・墓地から「死のメッセージ」カード1枚を選び、「ウィジャ盤」の効果扱いとして自分の魔法&罠ゾーンに出す』効果を発動した時、チェーンして手札の「灰流うらら」のモンスター効果を発動する事はできません。

なお、相手のフィールドゾーンに「ダーク・サンクチュアリ」が存在している場合でも、処理に違いはありません。

遊戯王 オフィシャルカードゲーム データベース より

デッキから特殊召喚するが、モンスター扱いであろうと特殊召喚するのは魔法・罠カードのため「灰流うらら」を発動出来ません、というタイプ。
こちらはシンプルですね。

 

【タイプ⑤(例外)】既に無効になっている

Answer
質問の状況の場合、モンスターゾーンの「スターダスト・チャージ・ウォリアー」は「スキルドレイン」が適用され、発動したモンスターの効果が無効になる状況となっていますので、相手はチェーンして「灰流うらら」のモンスター効果を発動する事はできません。

遊戯王 オフィシャルカードゲーム データベース より

「既に無効になっているので、改めて無効には出来ません」タイプ。

こちらは今回の記事の趣旨とは異なり「既に無効になっている効果」に「灰流うらら」が撃てないのではなく、「既に無効になっているカードは、効果を無効にするだけの効果は適用されない」という”共通ルール”により発動不可となっています。

Answer
質問の状況の場合、「サイバー・ドラゴン・コア」は「エフェクト・ヴェーラー」のモンスター効果によって既に効果が無効化されているモンスターとなりますので、そのモンスターを対象として、「無限泡影」を発動する事自体ができません。

遊戯王 オフィシャルカードゲーム データベース より

こちらは「灰流うらら」だから発動出来ない、というものではないので、まとめの際は除外することとします。

 

※2021/01/18追記※

上記スターダストチャージウォリアーのQ&Aが削除されていたので発動できそうです。

 

今回のポイント

「灰流うらら」の発動可能条件は

  • 効果内(①などの数字で括られた中)に『デッキに触る効果』が含まれている

であり、そこから

  • 発動時にデッキに触らないことが確定している
  • 発動時の効果処理とは別に『デッキに触る効果を”発動”する』状態を適用する効果(暫定)
  • 効果を書き換える効果
  • 特殊召喚するカードがモンスターではない

これらを除いたもの、という法則が導き出せますね。
暫定のQ&Aであればこの法則で対応出来ますので、ここをスクショしておきましょう。

 

余談

灰流うららの裁定は(今回の記事に関係ないものも含め)51個あり、「タブで開く」が出来なかったため逐一開く→戻るを繰り返した結果灰流うららがメチャメチャ嫌いになりました。

おわり。