『三幻魔』に新カードが降臨‼️
— 【公式】遊戯王OCG (@YuGiOh_OCG_INFO) 2020年7月12日
【8/8(土)発売 PHANTOM RAGE(ファントム・レイジ) 】✨『混沌幻魔アーミタイル-虚無幻影羅生悶』✨収録❗️商品HPはこちら👉https://t.co/QS7lLkXank
🔥永き封印は解き放たれた―。
魔の眷属を従え、混沌が全てを覆い尽くす。 pic.twitter.com/OZOEtzATEm
ストラクチャーデッキが発売されたのもつかの間、三幻魔の新規が公開されました。
つまり霊使いもまだまだ新規が期待できるということですね。待ってます。
さてこの「虚無幻影羅生悶」、コントロールを相手に移す効果と、移動先のフィールドを全て除外してしまう豪快な原作再現効果を持っています。
そして、この手の大型モンスターには珍しく召喚方法に制限がついていません。正規の召喚方法でなくともフィールドへの出力が可能です。
ということで、今回はこちらのカードをピックアップ。
幻想召喚師
①:このカードがリバースした場合に発動する。このカード以外の自分フィールドのモンスター1体をリリースし、エクストラデッキから融合モンスター1体を特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターはこのターンのエンドフェイズに破壊される。
遊戯王 オフィシャルカードゲーム データベース より
「幻想召喚師」で「虚無幻影羅生悶」を特殊召喚、そのまま相手フィールドのカードを全て除外――と強力なコンボができるように見えます。
しかし「幻想召喚師」で特殊召喚したモンスターはエンドフェイズに破壊されてしまいます。さて、エンドフェイズの処理はどのように行うのが正解でしょうか。
答えは簡単、なんとルールブックに書いてあります!!
208ページ、「エンドフェイズ」の項ですね。
あとはみなさん手持ちのルールブックで確認して頂ければと思います。
お疲れ様でした。
え?
持ってない?????
●エンドフェイズに発動する効果や適用する効果がある場合、基本的にターンプレイヤーから処理を行う。なお、「サイクロン」などの発動タイミングが定められていないカード・効果を発動したい場合、それらを含めてプレイヤーが任意の順番で発動・処理を行う。
●お互いのプレイヤーが「カードを発動する」優先権を放棄したあと、エンドフェイズに必ず発動する効果や、処理するべき効果処理がある場合はターンプレイヤーが先にその発動と処理を行わなければならない。
例:相手ターンに相手が「青天の霹靂」で特殊召喚した「オレイカルコス・シュノロス」を、次の自分のターンに「強制転移」を発動してコントロールを変更し、さらに「リミッター解除」を発動して攻撃力を倍にした。そのターンのエンドフェイズでは、まず自分が「リミッター解除」の『この効果が適用されているモンスターはこのターンのエンドフェイズに破壊される。』効果を適用するかどうかを選べる。ここで適用した場合は「オレイカルコス・シュノロス」は破壊され「青天の霹靂」の『次の相手エンドフェイズに持ち主のデッキに戻る。』効果は適用されなくなる。逆に自分が「リミッター解除」の効果を適用しなかった場合、相手が「青天の霹靂」の効果を適用するかどうかを選べる。ここで適用した場合は「オレイカルコス・シュノロス」は持ち主のデッキに戻るが、適用しなかった場合は「リミッター解除」の効果が必ず適用され、結果的に「オレイカルコス・シュノロス」は破壊される事になる。
遊戯王オフィシャルカードゲーム パーフェクトルールブック2020 より
重要なのは以下の3点です。
- 特定フェイズに発動する効果や適用する効果は、ターンプレイヤーから処理を行う。
- 強制効果を持つカードが場に存在していても、処理を行わず一度優先権を放棄することができる。
- お互いのプレイヤーが優先権を放棄した場合、ターンプレイヤーが処理を行わなければならない。
では、これらを元に「幻想召喚師」で「虚無幻影羅生悶」を特殊召喚した場合の処理を解説します。
まず、ターンプレイヤーである自分が「幻想召喚師」の「この効果で特殊召喚したモンスターはこのターンのエンドフェイズに破壊される」処理を行うかどうかを選びます。当然「虚無幻影羅生悶」による除外を狙うべく、ここは「処理を行わず優先権を放棄する」ことを選びます。
次に、非ターンプレイヤーである相手が「虚無幻影羅生悶」の「このカードのコントロールが移ったターンのエンドフェイズに発動する。自分フィールドのカードを全て除外する」効果を発動するかどうかを選びます。相手も自分フィールドのカードを除外されたくはないので、同じく「処理を行わず優先権を放棄する」ことを選びました。
ここで「お互いのプレイヤーが『カードを発動する』優先権を放棄した」状況が発生します。そのため「お互いのプレイヤーが『カードを発動する』優先権を放棄したあと、エンドフェイズに必ず発動する効果や、処理するべき効果処理がある場合はターンプレイヤーが先にその発動と処理を行わなければならない」ルールに則り、ターンプレイヤーである自分が効果処理を行わなければなりません。ここで「幻想召喚師」の「この効果で特殊召喚したモンスターはこのターンのエンドフェイズに破壊される」処理が適用されることになります。
つまり「幻想召喚師」で「虚無幻影羅生悶」を特殊召喚したとして、相手フィールドのカードを除外することはできません。
逆に、相手ターンに「幻想召喚師」をリバース、出てきた「虚無幻影羅生悶」をそのターン中に送りつければ、
- ターンプレイヤーである相手が「虚無幻影羅生悶」の発動を行わず優先権を放棄する
- 非ターンプレイヤーである自分が「幻想召喚師」の処理を適用せず優先権を放棄する
- お互いに優先権を放棄したため、ターンプレイヤーである相手が「虚無幻影羅生悶」の発動を行う
という処理になるため相手の場を壊滅させることができますが、そんな回りくどいことをするなら素直に正規召喚した方がマシです。
そして「ファントム・オブ・カオス」や「覇王眷竜スターヴ・ヴェノム」など、「エンドフェイズまで~効果を得る」タイプのカードで効果をコピーした場合も同様に除外は不可能です。「エンドフェイズまで~」という効果は、エンドフェイズに「効果の適用を終了する処理」が発生するためです。
質問の状況の場合、エンドフェイズに「精神操作」の効果が適用されている「閃刀姫-シズク」のコントロールを相手に戻す処理と、「閃刀姫-シズク」の『デッキから、同名カードが自分の墓地に存在しない「閃刀」魔法カード1枚を手札に加える』モンスター効果の発動の、どちらを先に行うか選ぶ事ができます。
「閃刀姫-シズク」のコントロールを相手に戻す処理を先に行った場合は、「閃刀姫-シズク」のモンスター効果を相手プレイヤーが発動する事ができますが、自分が「閃刀姫-シズク」のモンスター効果の発動を行った後に、「閃刀姫-シズク」のコントロールを相手に戻した場合には、相手プレイヤーは「閃刀姫-シズク」のモンスター効果を発動する事はできません。
遊戯王 オフィシャルカードゲーム データベース より
つまり「コピーした『虚無幻影羅生悶』」の効果の発動」と「効果の適用を終了する処理」がエンドフェイズに行われるのですが、「効果の適用を終了する処理」が先に行われるため、結果として「虚無幻影羅生悶」は効果を発動することができません。
インチキはやめようってことですね。
ちなみに今回のルールですが、昨年の年末に書いた記事で一度解説を行っています。
(この記事はこの記事でめちゃくちゃ評判良かったのでおすすめです)
この記事の中で、専門家の先生(捏造)はこう語っています。
「ターンプレイヤーが優先権を放棄する場合、先に処理することによってターンプレイヤーに不都合が生じることが殆どであり、大抵の場合は相手プレイヤーも優先権を放棄するのが最適解になるため、正直なところ優先権を放棄しても結果としては変わらないだろう」
半年かけてこの発言が回収されました。感動的です。
さて、今回のように、たとえ未発売カードであっても根本的なルール(上記赤字箇条書き部分)を覚えていればすぐに対応することができます。
是非皆さんもこれを機にルールブックを購入し、一読してみてください。意外と快適な遊戯王の世界があなたを待っています。
かしこま。