かしこまメガトンパンチ

遊戯王とマンガ中心の雑記ブログ

【遊戯王】公式Q&Aの書き方が変わっていてめちゃくちゃ感動した

Question
「ディメンション・マジック」の効果の発動に対して、「Evil★Twin イージーゲーム」の『●フィールドのカードを破壊する魔法・罠・モンスターの効果が発動した時に発動できる。その効果を無効にする』効果を発動できますか?


Answer
「ディメンション・マジック」の『フィールドのモンスター1体を選んで破壊できる』処理を行うかどうかを選択するのは、その効果処理時です。このような、発動時にカードを破壊する処理を行うかどうかが決まっていない効果は、フィールドのカードを破壊する効果として扱いません。

したがって、「ディメンション・マジック」の発動に対して「Evil★Twin イージーゲーム」の『●フィールドのカードを破壊する魔法・罠・モンスターの効果が発動した時に発動できる。その効果を無効にする』効果を発動することはできません。

遊戯王 オフィシャルカードゲーム データベース より

 

これが令和のKONAMI

おクスリキメてドラグーン刷ってドラグーン売った金でおクスリ買ってるKONAMIはもうどこにもいない。

 

 

 

不満が無いと言えば、嘘だった。

予め言っておくが、どちらかと言えば私は事務局に好意的である。どの目線なんだという話ではあるが、同情的と言っても差し支えはない。

たまに話題に上がる「理由に関してはお答えしておりません」などに関しても理解はしている。「ドローフェイズにドローする枚数は1枚」に対して「何故1枚なのか、納得のいく理由が欲しい」と聞く人間はおらず、また聞かれたとしてもそこに律儀に答える義務は無い。
原価1000円に満たない千円札を1000円の価値のものとして運用しているように、「ルールとして設定されているもの」は「そう決められているから」と万人が認識していれば運用に支障は無い。
遊戯王の問題は事務局の提示している範囲とプレイヤーが把握できている範囲がかみ合っていないことで「適切な運用」が行われていない点にある。
(この点に関しては以前に「速攻魔法の墓地効果が起動効果であることを明記するか?」という観点で記事を書いたことがある)

shakeboy.hatenablog.com

「速攻魔法のスペルスピードが1である」ことがテキストに記載されていないことに対し「わかりにくい!」と文句が上がったとしても、ルールブックに記載されている以上、それはプレイヤー側が把握できていないことが問題である。

むしろ上記記事で述べたように、製作側も試行錯誤しながらカードゲームを製作・運用していることがわかる。改善に関しては声を上げるべきではあるが、必要以上に叩く必要は無い、というのが基本的なスタンスである(だからこその「同情的」という表現とも言える。)

 

話を戻すが「理由に関して説明を行わない」という点に関して、ある程度は納得はしている。免許を取得する際に「信号の『止まれ』に赤が設定されているのは何故か」を説明しないようなものである。

 

それでも、やはり、不満が無いと言えば、嘘になる。


以前に、「灰流うらら」の対応範囲を考察したことがある。

shakeboy.hatenablog.com

この中で、「マジカルシルクハット」「ダーク・サンクチュアリ」の二枚から、このような考察を行っている。

「魔法・罠カードを特殊召喚するから発動できないのだろう

だろう。ってなんだよと。

考察自体は間違っているとは思わない。しかし、「『魔法・罠カードをモンスター扱いで特殊召喚する効果」は、『デッキからモンスターを特殊召喚する効果』として扱いません」の一文があれば、どれだけ今後発売されるカードが救われるだろう。
理由について説明する必要はない、必要はないが、「カードが違えば裁定も異なるかもしれない、念の為」と本来必要の無い質問をするユーザー、それに対応する事務局の人間、どれだけの人間の時間が節約出来るだろうか。
人間は弱い。山北早紀が世界一可愛いと涎を垂らしながら、一方で芹澤優が世界一可愛いと鼻息を荒くする。
「理由の説明を行わない」ことに一定の理解を示しながら、それでも理由の説明を求めてしまう。
ルールに対する理解は深い。自分には関係が無い。わかってはいるが、不合理なその対応にストレスを感じ、私の体重は順調に増えていった。

 

しかし、そんな燻りを吹き飛ばすかのように。


2020年9月、事務局は "令和" になった。

Question
「ディメンション・マジック」の効果の発動に対して、「Evil★Twin イージーゲーム」の『●フィールドのカードを破壊する魔法・罠・モンスターの効果が発動した時に発動できる。その効果を無効にする』効果を発動できますか?


Answer
「ディメンション・マジック」の『フィールドのモンスター1体を選んで破壊できる』処理を行うかどうかを選択するのは、その効果処理時です。このような、発動時にカードを破壊する処理を行うかどうかが決まっていない効果は、フィールドのカードを破壊する効果として扱いません。

したがって、「ディメンション・マジック」の発動に対して「Evil★Twin イージーゲーム」の『●フィールドのカードを破壊する魔法・罠・モンスターの効果が発動した時に発動できる。その効果を無効にする』効果を発動することはできません。

遊戯王 オフィシャルカードゲーム データベース より

些細な変化である。

結果のみを掲載していた事務局が、ついに「理由」を掲載したのである。

本当に些細な変化である。しかし、問題を丸暗記しての100点と、公式を覚えての100点はまるで意味が違う。「55×301」を暗記しても、掛け算がわからなければ習得とは言えない。


事務局は、ついにパンドラの宝具箱を開け放った。

 

門外不出であった「裁定の根拠」をついにQ&Aという形で世に出した。 

ドラグーン禁止など些末な問題に思えるくらい、もっと本質的な部分で、遊戯王というゲームには間違いなく革命が起こっていた。

更に、ジェネシスインパクターズ発売から一週間、発売時に掲載されたQ&Aが、大きくその姿を変えた。

Question
エクシーズモンスターやリンクモンスターを使用して儀式召喚された「竜儀巧-メテオニス=DRA」は、『②:このカードの儀式召喚に使用したモンスターのレベルの合計が2以下の場合、このカードは特殊召喚された相手モンスター全てに1回ずつ攻撃できる』効果を適用できますか?


Answer
エクシーズモンスターやリンクモンスターはレベルを持ちませんので、儀式召喚に使用したエクシーズモンスターやリンクモンスターは『儀式召喚に使用したモンスターのレベルの合計』に影響しません。

レベルを持たないモンスターのみを使用して儀式召喚した場合、レベルを持つモンスターを使用していませんので、『儀式召喚に使用したモンスターのレベルの合計』は0になります。結果として『②』の効果を適用できます。

また、レベルを持つモンスターと持たないモンスターを使用して儀式召喚した場合は、そのレベルを持つモンスターのレベルの合計が2以下であれば『②』の効果を適用できます。

遊戯王 オフィシャルカードゲーム データベース より

ジェネシスインパクターズの名に恥じない、創生の衝撃がそこには存在した。

「適用できます」だけではない。「合計に影響しないので、適用できます」と裁定の根拠を追記したのだ。

 

事務局は "令和" になった。

 

もちろん、納得できない部分もまだまだある。裁定の意味がわからなすぎるとボコボコに吠え叫ぶ日もくるかもしれない。

しかし、今回の一件でKONAMIは ”道” を指し示した。五里霧を歩く決闘者に、朧気ながらも確かな ”光” を与えた。

遊戯王を少しでもわかりやすいゲームにしていこうという、事務局の決意を見た。
そんな、事務局の起こした静かな革命に、新しい遊戯王の誕生に、敬意を込めてこの言葉を贈ろう。

 

 

 

 

 


霊使い新規ください。
あとイビルツインプレマもください。いい子にしてますから。