かしこまメガトンパンチ

遊戯王とマンガ中心の雑記ブログ

【遊戯王】「強制効果はタイミングを逃さない」って本当?【時と場合の使い分けについて】

みなさん、タイミング逃してますか?

「タイミングを逃す」は初心者が躓くルールの一つだと言われています。それどころか、僕は遊戯王どころか人間としても初心者なので大体のタイミングは逃します。逃したことにすら気付かないことも多いので、もしかするとヤドンなのかもしれません。

「『時~~できる』はタイミングを逃すけど『時~~する』はタイミングを逃さない」。わかりにくいですね。

しかし、その「『時~~する』はタイミングを逃さない」本当ですか?

 

たとえば、

「終電……なくなっちゃったね……」

一見するとタイミングを逃しているこの一言、タイミング逃してますか?

 

むしろ ”今” じゃないですか?

 

日本語というのは非情に複雑です。正しいように見えても実は間違っていることはよくあります。女心と遊戯王、あとクリスマスプレゼントとはよく言ったものです。

今日はそんな「強制効果はタイミングを逃さない」について、ヤドンでもわかるよう考察していきます。ペラップのように口に出して読んでいってください。

 

「時」の扱いについて

まず近代遊戯王における「時」ですが、ずばり「そのタイミング」を指しています。

このテキストを使用した効果は、「対象に取られた時」「効果が発動した時」など条件を満たしたタイミングで直接チェーンして発動する効果、もしくは「攻撃宣言」など特定のタイミングの第一チェーンで発動する効果が挙げられます。

召命の神弓-アポロウーサ

①:「召命の神弓-アポロウーサ」は自分フィールドに1体しか表側表示で存在できない。②:このカードの元々の攻撃力は、このカードのリンク素材としたモンスターの数×800になる。③:相手がモンスターの効果を発動した時に発動できる。このカードの攻撃力を800ダウンし、その発動を無効にする。

シルバーヴァレット・ドラゴン

①:フィールドのこのカードを対象とするリンクモンスターの効果が発動した時に発動できる。このカードを破壊する。その後、相手のEXデッキを確認し、その内の1枚を選んで除外する。②:フィールドのこのカードが戦闘・効果で破壊され墓地へ送られたターンのエンドフェイズに発動できる。デッキから「シルバーヴァレット・ドラゴン」以外の「ヴァレット」モンスター1体を特殊召喚する。

遊戯王 オフィシャルカードゲーム データベース より

バージェストマ・ディノミスクス

①:フィールドの表側表示のカード1枚を対象として発動できる。手札を1枚捨て、対象のカードを除外する。②:罠カードが発動した時、その発動にチェーンしてこの効果を墓地で発動できる。このカードは通常モンスター(水族・水・星2・攻1200/守0)となり、モンスターゾーンに特殊召喚する(罠カードとしては扱わない)。この効果で特殊召喚したこのカードはモンスターの効果を受けず、フィールドから離れた場合に除外される。

遊戯王 オフィシャルカードゲーム データベース より

冒頭で取り上げた「タイミングを逃す」ですが、公式ルールブックでは以下のように解説されています。 

「時~~できる。」と記載された効果は、そのタイミングでしか発動するかどうかを選べない効果である。「時~~できる。」と記載された効果が効果/チェーン処理の途中で発動するタイミングを迎えた場合、その効果を発動するかどうかを選ぶことはできず、結果として発動しない。

遊戯王オフィシャルカードゲーム パーフェクトルールブック2020 より

「時」が「そのタイミング」を示すため、「墓地へ送られた時」などの条件を効果処理の途中で満たした場合、本来であれば「墓地へ送られた」そのタイミングで発動するかどうかを選ばなければなりません。

しかし、チェーン処理の途中で他のカードの効果を発動することはできず、その結果「墓地へ送られた時」などのタイミングを過ぎてしまうため、いわゆる「タイミングを逃す」が発生することになります。

チェーンの処理が行われている間は、ほかのカードの効果を発動することはできない。

遊戯王オフィシャルカードゲーム パーフェクトルールブック2020 より

また、先程「シルバーヴァレット・ドラゴン」を例として挙げました。

そして、「ヴァレル」リンクモンスターは「この効果の発動に対して相手はカードの効果を発動できない」というテキストを与えられています。

これは「フィールドのこのカードを対象とするリンクモンスターの効果が発動した時に発動できる」という条件が満たされた時、相手がその発動に別の効果をチェーンすることで「フィールドのこのカードを対象とするリンクモンスターの効果が発動した時(直後)」というタイミングを逃すことがないよう、このようなテキストが与えれています。上手く作られていますね。

 

「場合」の扱いについて

対して、「場合」はご存知の通り、効果処理中に条件を満たしても発動できます。直前の一連の処理全てを条件として参照できる、いわゆる「タイミングを逃さない」です。

直接・直後に発動する「時」と異なり、場合と書かれた効果は「一連の処理後」に改めてチェーンブロックを組んで発動します。

●「場合~~できる」と記載された効果は、ほかのカードの処理中に発動する条件を満たしたとしても発動できる効果である。「場合~~できる」と記載された効果が効果/チェーン処理の途中で発動するタイミングを迎えた場合、その効果/チェーン処理が全て終わったあと、改めてその効果を発動するかどうかを選ぶことができる。

遊戯王 オフィシャルカードゲーム データベース より

「戦華の仲-孫謀」と「ハーピィ・レディ・SC」のテキスト・処理の違いがわかりやすいです。

戦華の仲-孫謀

③:このカード以外の自分の「戦華」モンスターの効果が発動した場合、相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを持ち主の手札に戻す。

■『そのモンスターを持ち主の手札に戻す』モンスター効果は、自身以外の自分の「戦華」と名のついたモンスターの効果が発動した場合、その一連の処理後に発動する効果です。

遊戯王 オフィシャルカードゲーム データベース より

ハーピィ・レディ・SC

②:魔法・罠カードの効果が発動した時、相手フィールドのモンスター1体または自分フィールドの「ハーピィ」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを持ち主の手札に戻す。

 ■『②』のモンスター効果は、フィールドで発動する誘発即時効果です。(相手のモンスターゾーンに存在するモンスター1体、または、自分のモンスターゾーンに表側表示で存在する「ハーピィ」と名のついたモンスター1体を対象に取る効果です。魔法・罠カードの効果の発動に直接チェーンして、任意に発動する事ができる効果です。ダメージステップに発動する事はできません。)

遊戯王 オフィシャルカードゲーム データベース より

同様のテキストでも、「時」はそのタイミングに直接チェーンして発動するのに対し、「場合」は一連の処理が終わった後に改めて発動することになります。

  • 「時」はそのタイミングの直後に発動する
  • 「場合」はコスト等で条件を満たした場合でも、一連の処理後に発動する

これが、近代遊戯王の「時」と「場合」の使い分けです。

 「場合」のテキストがタイミングを逃さない理由ですが、一連の処理の終了後に発動するかどうかを選ぶため、そのタイミングに発動を阻害する要因が基本的に無いからとも考えられますね。

 

「時~~する」のエラッタについて

さて、ここで問題です。「このカードがフィールドを離れた時、発動する」という効果を持つカードに、

  • 「エネミーコントローラー」のコストでリリースされた
  • 「サンダー・ブレイク」により破壊された

以上2点の処理を行った場合、どのタイミングで効果が発動するでしょうか。

「時」は直後に発動するから「エネミーコントローラー」のコストで送られた直後=「エネミーコントローラー」に直接チェーンして発動するけど、「サンダー・ブレイク」は一連の処理後に発動する……?

前者は「時」のタイミング、後者は「場合」のタイミングで発動する……?

 

ということはなく、どちらも一連の処理後に発動します。誘発効果のスペルスピードは1であるため、他の効果にチェーンして発動することができないからとなります。

誘発効果のスペルスピードは1である。ただし、複数の誘発効果が同じタイミングで発動する場合、チェーンを組んで処理する。

遊戯王オフィシャルカードゲーム パーフェクトルールブック2020 より

「~~場合(時)~~発動する。」と記載された効果は必ず発動する。そのため、発動する特定のタイミングでチェーンの処理やほかのカードの効果の処理が行われている場合、それらの処理が終わったあとに改めて発動する。

遊戯王オフィシャルカードゲーム パーフェクトルールブック2020 より

しかし、「時」と「場合」の使い分けを踏まえると、先程述べたように「エネコンにチェーンを組む形で発動するのではないか?」という誤解が生まれないとは限りません。

それを防ぐためか、昔のテキストで「時~~する」などと書かれており、かつ直接チェーンする必要のないカードは、最近のテキストでは「場合」にエラッタされています。

魔轟神獣ケルベラル(旧テキスト)

このカードが手札から墓地へ捨てられた、このカードを自分フィールド上に特殊召喚する。

魔轟神獣ケルベラル

①:このカードが手札から墓地へ捨てられた場合に発動する。このカードを特殊召喚する。

遊戯王 オフィシャルカードゲーム データベース より

ダンディライオン(旧テキスト)

このカードが墓地へ送られた、自分フィールド上に「綿毛トークン」(植物族・風・星1・攻/守0)を2体守備表示で特殊召喚する。このトークンは特殊召喚されたターン、生け贄召喚のための生け贄にはできない。

ダンディライオン

①:このカードが墓地へ送られた場合に発動する。自分フィールドに「綿毛トークン」(植物族・風・星1・攻/守0)2体を守備表示で特殊召喚する。このトークンは特殊召喚されたターン、アドバンス召喚のためにはリリースできない。

遊戯王 オフィシャルカードゲーム データベース より

 「場合」が「一連の処理後に改めて発動する」というルールさえ覚えていれば発動タイミングをまとめて判断できるいい変更です。

逆に、直接チェーンする効果は強制効果であってもそのままのテキストになっています。

死霊騎士デスカリバー・ナイト

このカードは特殊召喚できない。①:モンスターの効果が発動した、このカードをリリースして発動する。その発動を無効にし破壊する。

遊戯王 オフィシャルカードゲーム データベース より

直接チェーンする以上「時」の表現が正しいので当然ですね。

 

「強制効果はタイミングを逃さない」って本当?

そして本題です。まずは「強制効果はタイミングを逃さない」という表現は間違いである、という点について語っていきます。

そもそも、強制効果は必ず発動する効果、言い換えれば「発動しなければならない効果」です。

●『~~発動する。』と記載されている効果はプレイヤーの意思に関係なく必ず発動する。効果の発動にコストが必要な場合、発動が行われる際にコストを払わなければならない。コストが払えない場合、発動は行われない。

遊戯王オフィシャルカードゲーム パーフェクトルールブック2020 より

では、「フィールドを離れた時に発動する」がチェーン3の効果処理で条件を満たした時、「タイミングを逃さずに発動した」と言えるのはどのタイミングで発動した場合でしょう。

この場合「フィールドを離れた時」というのはチェーン3の効果処理の直後、つまりチェーン2の処理の前ということになります。

しかし、先述したように遊戯王には「チェーン処理中は他のカードは発動できない」というルールがあります。

そして、チェーン2の処理の前、「フィールドを離れた時」に発動していない以上、強制効果であってもタイミング自体は逃しているのです。本来であればすぐに「発動しなければならない」が、やむを得ず一連の処理が終わった後に発動している、ということになります。

つまり、強制効果はタイミングを逃さないのではなく、

「タイミングを逃しても発動する」

という表現が正しいと言えます。

そもそも「『時~~できる』はタイミングを逃すけど『時~~する』はタイミングを逃さない」がわかりにくいと言われているのは、「タイミングを逃さない」と「タイミングを逃す」の挙動との違いについて直感的に理解しにくいからです。

しかし、「強制効果はタイミングを逃しても発動する」と認識すれば、

  • 「『時~~できる』は条件を満たした直後に発動するかどうかを選ばなければいけないけど、そのタイミングで他の処理が挟まると発動するか選べない」
  • 「でも『時~~する』は必ず発動する、しなければならないから、タイミングを逃しても一連の処理が終わったあとに改めて発動する」

このように、日本語としても完璧に成立します。これより綺麗な解説は見たことがありません。見たとしても今忘れましょう。

●「~~場合(時)~~発動する。」と記載された効果は必ず発動する。そのため、発動する特定のタイミングでチェーンの処理やほかのカードの効果の処理が行われている場合、それらの処理が終わったあとに改めて発動する。

遊戯王オフィシャルカードゲーム パーフェクトルールブック2020 より

ルールブックでも「タイミングを逃さない」とは書かれておらず、「必ず発動するから処理が終わった後に改めて発動する」と書かれている以上、こちらが遊戯王最先端の表現と言っても過言ではありません。

口に出してみてください。

「強制効果はタイミングを逃しても発動する」

はい、決闘者としてレベルが1上がりました。

 

「強制効果はタイミングを逃さない」は絶滅しかかっている

しかし、残念なお知らせがあります。

「強制効果はタイミングを逃さない」、実は絶滅しかかっています。

「タイミングを逃す」と言われる効果はチェーンブロックを組んでいる段階や効果処理時に条件を満たせるカードが挙げられます。コストで墓地へ送られる/チェーン2以上で墓地へ送られる、などです。

しかし前述したように、直接チェーンする必要の無い効果――「できる」ならタイミングを逃すけれども「する」だから発動する「様々なタイミングで条件を満たせる強制効果」は、別チェーンであることを示すべく、再録時に「場合」に修正されています。

つまり、「強制効果だからタイミングを逃さない」テキスト自体が、既に現代遊戯王では消えつつある、ということです。

 

「タイミングを逃す」自体は直近のカードでも発生するルールなので覚える必要があります。エジプトに眠る壁画にはまだまだタイミングを逃すカードが眠っています。ペガサスさんそろそろ直訳やめません?

揺海魚デッドリーフ

このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。①:このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した時に発動できる。デッキから「揺海魚デッドリーフ」以外の魚族モンスター1体を墓地へ送る。②:墓地のこのカードを除外し、自分の墓地の魚族モンスター3体を対象として発動できる。そのモンスターをデッキに加えてシャッフルする。その後、自分はデッキから1枚ドローする。

遊戯王 オフィシャルカードゲーム データベース より

しかし「強制効果だからタイミングを逃さない」は既に絶滅危惧種であり、かつ前述したように「強制効果はタイミングを逃しても発動する」が正しい表現である以上、「強制効果はタイミングを逃さない」はアップデートすべきなのです。

皆さん、正しい表現を覚えるタイミング、今ですよ。逃さないでください。

 

本題

さて、人生はタイミングを逃すの連続です。例えば売りどき・買いどき。

恋愛で言えば告白や婚期。気付いた時には終わっていることもしばしばです。

僕は気付いた時には全て終わっていて、後から知らされるタイプのNTRが好きなので一概に悪いことだとも言えませんが、出来ればタイミングは逃さない方がいいですよね。

そしてこのブログの読者の皆さんは今、タイミングを逃そうとしています。

そう、

 

www.tv-tokyo.co.jp

「プリパラ」の履修タイミングです(♪ Make it!

 

pripara.jp

「アイドルランドプリパラ」という新プロジェクトが発表され今最も熱い時期でありながら配信が来年春である(=時間がたくさんある)こと、

 

anime.dmkt-sp.jp

月額400円の「dアニメストア」や「Amazon prime」で配信されており気軽に視聴できること、

 

そして何より、このブログを読んでいること。タイミング、今です。

 

今回の「強制効果はタイミングを逃しても発動する」の解説も、実はプリパラ105話で言ってなかったりするんですよ。

遊戯王のルールに詳しくなれたのはプリパラのおかげです」と僕が言ったとして、皆さんは「それは嘘だろ」と一蹴するかもしれません。しかし、その「他人のアドバイスを素直に受け取らない姿勢」こそが成長のタイミングを逃す要因なのです。騙されたと思って観てください(※騙されてます)

あなたの遊戯王ライフを豊かにする第一歩、プリパラです。

 

あなたがプリパラに来るのを、僕は待っています。