アニメ見た? 俺ふつうに感動してんけど。
「原作に忠実」で「絶妙な追加要素」で「気合の入った映像」やで。
ウマくないわけがないやろ。
アニメ「ワールドトリガー」、映像媒体としても原作の補完としても最高でした。
まずアニメ「ワールドトリガー」、カットされたシーンが殆どありません。構成上の前後はあれど、原作にある台詞と、絶妙に追加された描写で構成されています。
例えば3話、「原作にあったけどカットされた台詞」ありません。原作になかったけど追加・改変された台詞は
- 「前の新型」→「前の新型トリオン兵」
- 無し→「(藁の兵について)あと四体、本物は一体。残りの三体はダミー」
- 「(ウェンの胸のマークについて)右側」→「左胸」
の三箇所(※前者が原作)のみ。驚くほど原作に忠実です。
視聴済みの方、単行本片手に見返してみてください。マジで原作そのままでビビる。
「らいじんまるのおなかさわるか?」のシーンが何故かカットされていましたが……。
※4話は戦闘シーンで殺陣が多めに追加されていました。
一方の追加要素ですが、それにより文脈が変わるということはなく、原作の描写やキャラクターの心情の動きを補完する形で描かれています。
例えば視線の移動だとか、表情の変化だとか、「マンガだと2コマ使うからページの構成上カットした」みたいなシーンをちょいちょい挟んできます。
その他、韋駄天対策の「剣を置く」なんかも、原作で数コマのシーンがアニメでは
- 「韋駄天起動」
- 「剣を出す」
- 「黒江が反応する」
- 「韋駄天処理」
- 「黒江吹き飛ぶ」
の順で丁寧に描写されていて、「黒江が気付いたが間に合わない=韋駄天の特性が読みどおりである」と原作の描写を強固にしています。
また、ガロプラが侵攻を開始したタイミングではスナイパーがワープする描写が追加されています。
BBFで葦原先生が「アニメスタッフに渡した資料」という旨の発言を何回かしているので、アニオリではなく「マンガ一話の尺のため泣く泣く削った描写」ではないでしょうか。大規模侵攻編では普通にワープの描写が出ていますし、極端な話をすれば「最初の書き出し」を渡している可能性もあります。
Q.274 先生の漫画の作り方を知りたいです。(多数)
連載の1週分を作る時は、やりたい展開を全部書きだしてから、19ページに収まるように削っていく感じです。ネタ出しに困ることはあんまりなくて、シーンを泣く泣く削る作業に時間がかかります。
「ワールドトリガー オフィシャルデータブック」より抜粋
ここでは「屋上のマーカーに飛ばす」という発言があるので、
- 予知で敵が来ることはわかっている(事前に大まかな配置は完了している)
- どこにゲートが現れるかはわかっていなかった
- 方向と距離が確定したので複数ある中の屋上マーカーに移動させた
という流れを原作でカット、アニメでサルベージしたりしなかったりしたのかもしれません。
そしてご覧の通り音楽に合わせてチームとエンブレムが流れてくるOPは勿論のこと、例えば二宮がギムレット合成するシーンは画面に映ってから1.2秒くらいで合成完了していて、出水が2秒くらいで合成してること考えると「No1.射手って、スゲェ……!」と薫陶を受けまくるチョロい夢女子が爆誕する設定厨も大満足の素晴らしい映像がオンされています。
■出水がバイパー+メテオラでトマホークを合成しましたが、これは出水の天才センスで為せる技ですか? 修もやり方が分かって練習すれば可能ですか?
可能ですが合成には時間がかかります。今の修がトマホークを撃とうとしたら合成に1分くらいかかります。出水は2秒くらいです。
ワールドトリガー 9巻 質問コーナー⑧ より
とまあこのように「変なカットのない安心感」「原作者の設定に忠実な描写」「気合の入った映像」が揃った最高の映像化を成し遂げています。映像って、スゲェ……!
今だとプリパラも見れる「dアニメストア」だとか「Amazon prime」だとかで視聴出来るので未視聴の方は是非、視聴済みの方も是非データブックと単行本片手に見返してみてください。マジで出来が良すぎて感動します。
あと最後に、ここめちゃくちゃ気合入ってた。このシーンなんて言うか知ってる?
那須華麗。