かしこまメガトンパンチ

遊戯王とマンガ中心の雑記ブログ

【遊戯王】「烙印劇城デスピア」のテキストに感動した話

同窓会で再会したり、Facebookで偶然見つけた元カノがめちゃくちゃ美人になってたとか、今回そんな感じ。

 

※noteでも記事書いてました※

note.com

烙印劇城デスピア
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:自分の手札・フィールドから、レベル8以上の融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。

遊戯王 オフィシャルカードゲーム データベース より

ピカソとかモーツァルトとか芸術の良さはわかると思うけど、このテキストもまた芸術。美術の教科書に載せるべき。遊戯王のテキストの歴史の分岐点がまた生まれた。

ナイフ一本で闘う達人ジジイとか、初期装備で最強のプレイヤーとか、40枚デッキとか、結論パとか、フェルンが基礎的な魔法しか使ってないとか、ワートリの忍田さんとか、なんかガッシュの肉体強化で戦う奴とか、そういうシンプルの極み、「引き算」の極地がここにある。流石に遊戯王進化しすぎてる。イーブイか?

 

そもそも「自分メインフェイズに発動できる」が美しくなかった。

黄金郷の七摩天

永続魔法
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分メインフェイズに発動できる。
自分の手札・フィールドから、融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。
その際、融合素材モンスターは全てアンデット族モンスターでなければならない。

遊戯王 オフィシャルカードゲーム データベース より

スペルスピードが1である以上「自分メインフェイズに発動できる」と明記する必要は無い。テキスト単位で見た時に余計な文章というか「その後デッキをシャッフルする」が記載されているようなもの。

これに関しては昔ちょっと触れたことがあって、

shakeboy.hatenablog.com

しかし、文章を削り過ぎることによってテキストが逆にわかりにくくなる場合もあります。例えば、
  • 起動効果(メインフェイズ時にのみ発動できる)
  • コストなし
  • 効果処理で自身をリリースする

といった効果があるとします。

本来であれば

「①:自分メインフェイズに発動できる。このカードをリリースし、~する」

といったテキストになります。

では、このテキストから「自分メインフェイズに発動できる」の一文を無くしたとしましょう。

すると、

「①:このカードをリリースし、〜する」

というテキストになります。

このテキストでは「自身をリリースするのはコスト? 効果? テキストの書き方が元に戻ったの?」といった話になりかねません。本来であれば不要なはずのテキストを削ったのに、ユーザーの理解を妨げてしまいます。

このような事態を避けるため、最近のテキストでは「コストの有無に関わらず、起動効果は『自分メインフェイズに〜発動できる』もしくは『1ターンに1度、発動できる』というテキストで統一しよう」といった話になっているのかもしれません(あくまで推測です)

単純にユーザーが誤解しないように製作側で配慮していたって推測は出来る。

 

でも、

 

でも、

 

テキストとして美しくない。

 

理解はする。でも納得はしていない。

ブログ書く上で「推敲」は当然する。文章も削る。

肝心なのは「余計な文章は美しくない」という感性だ。

遊戯王のテキストはどんどんわかりやすくなっている。だからこそ「自分メインフェイズに発動できる」というテキストは蛇足に思えて仕方なかった。

しかもこれは「明記しないとユーザーわかんないかな……」という製作のユーザーへの微妙な信頼の無さとか、ユーザー側の(速攻魔法の墓地効果のスペルスピードとか)書いていないとわからない認知度の低さが見え隠れする遊戯王の闇そのもの。かつてルールが曖昧だった時代の負の遺産がこのテキストに集約されていた。

 

しかし、遺産は過去の遺物となった。烙印劇城デスピアという新たな歴史の象徴と共に、遊戯王は新たな歴史を歩み始めた。 

烙印劇城デスピア
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:自分の手札・フィールドから、レベル8以上の融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。

遊戯王 オフィシャルカードゲーム データベース より

そう、「自分メインフェイズに発動できる」という一文は遂に消え去った遊戯王という大国に降り続いていた雨は止み、祝福の虹が掛かった。アラバスタはここにあったのだ。*1

黄金郷の七摩天

永続魔法
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:自分メインフェイズに発動できる。
自分の手札・フィールドから、融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。
その際、融合素材モンスターは全てアンデット族モンスターでなければならない。

遊戯王 オフィシャルカードゲーム データベース より

同様の効果を持つ「黄金郷の七摩天」と比較すると一目瞭然。今や一枚のカードに資産的な価値がつくこの時代、細部まで拘り一枚のカードを芸術品に昇華させようというデザイナーの執念を感じる。極限まで不要なものを削り落とした、「4分33秒*2」の美に近い、海原雄山が「これが至高の遊戯王だ」と語ってもおかしくない出来。*3

イラストや加工だけじゃない、テキストもまた至高にして究極、遊戯王はまた新たなステージに足を運んだ。以前に2020年の遊戯王テキスト最高傑作を断じたが、2021年のテキスト最高傑作はデスピアかもしれない。

shakeboy.hatenablog.com

いや、これを芸術という括りだけに留まらせるべきではない。明治維新、黒船来航、大政奉還本能寺の変……「烙印劇城デスピア」は、それらと並ぶ歴史の転換点に他ならない。遊戯王プレイヤーであれば「鎌倉幕府」と同じレベルで「烙印劇城デスピア」の名は覚えるべき。教養。「烙印劇城デスピア」知らん奴おる?????

なんだろう、元カノと再会したらめちゃくちゃ美人になってたとかそんな感覚。今の人気に満足せず常に進化改良を続けてるんだな……しかも黄金郷の七摩天が出たのが去年の10月だから半年でこんなに……!! 

 

「自分メインフェイズに発動できる」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

無いと無いでちょっと違和感あるな。 

*1:アラバスタ雨降るの待ってたんだったわ

*2:演奏者の出す音が無い楽曲

*3:木に生えたトマトを「至高のサラダです」って出してくるんだからこれもイケるだろ