かしこまメガトンパンチ

遊戯王とマンガ中心の雑記ブログ

【FGO】妖精騎士トリスタンの正体について妄想考察【2部6章・トリスタン真名ネタバレ】

2部6章、開幕。

 

地獄界曼荼羅の配信から約半年、いよいよ2部6章「妖精円卓領域 アヴァロン・ル・フェ」が満を持さずに配信されました。

円卓をテーマにした本章においては様々なサーヴァントの実装や復刻が予想される中、満を持して搾精ガチャに登場したのがそう、

 

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今回の主役、妖精騎士トリスタンちゃんです!! かわいい!

 

「ざぁこ❤ざぁこ❤」「ゴミになぁれ❤」などメスガキらしい発言や残虐非道の行い、

 

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Apple Storeの審査が一生下りなさそうなコレクションと、アヴァロン・ル・フェで惨めに死にそうランキングぶっちぎりの一位をバクシンする彼女。

そんな彼女も再臨で天海祐希もびっくりのオトナの女性になります。 

 

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生きてる……?

 

挑発的な言動は鳴りを潜め、うめき声と怨嗟の声を漏らし、記憶と自我が半分くらい消失した、院田唐音も驚きの変貌ぶりです。

「あれ……私……今まで何を……幸せな夢を……見ていた気がする……あぁ……喉が痛い……痛いの……まるで首から下が……なくなってしまったみたい……私……どうなって……るの……?」

霊基再臨時

「やめて……やめてやめてやめて!」

被ダメージ時

「あぁ……ああ……あっ……ああ、あ、あああああああ!」

勝利時

 

ということで今回は2部6章の内容を踏まえ「何故彼女はこうなったのか(なるのか)」について考察していきます。

結論から先に言えば、妖精騎士トリスタン(以下バーヴァンシ*1)は、

 

「妖精騎士トリスタン+バーヴァンシーの”役割”を与えられた別人である」

 

というのが今回の主張です。

 

バーヴァンシーは元は別人であった

まず今回の主張の核となる「バーヴァンシーは元は別人であった」という点からお話していきます。

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悪態をついたバーヴァンシーに対し、主人公とアルトリアが不快感を抱かなかったこのシーン、皆さん違和感感じましたよね?

 

2部6章では、表面上は聞こえの良い言葉を発している人物が拒絶されるシーンが2回ありました。

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表面上は紳士的に振る舞っていたコヤンスカヤとベリルを、オベロンとマシュが拒絶しています。

逆に、バーヴァンシー・アルトリアのシーンは「悪態をついたにも関わらず受け入れられている」対比になっています。つまり、このシーンは「バーヴァンシーは根は善人である」ことを暗示しています。

と同時に、バーヴァンシーがわざと悪態をついているようにも見えません。となると、現状は悪人であるが、元は善人であった、悪人のように振る舞わされている、と考えるのが自然です。

 

バーヴァン・シーは誰かの偽物(もしくは代替)である

バーヴァン・シーはベリルに「レディ・スピネル」と呼ばれています(ムリアンも呼んでいるので共通の呼称かもしれませんが)

一方のベリルはバーヴァンシーに「レッドベリル」と呼ばれており、「スピネル」も「レッドベリル」も鉱物であることからこれらの愛称が鉱物を意識したものであることは間違いないでしょう。

ところでこのスピネル、宝石の一種でルビーと誤認されていた――紛い物とされていたという歴史があります。

バーヴァンシーは一見するとベリルと仲が良いように見えますが、ベリルが彼女を好ましく思っているとは思えません(マジで仲良かったらごめんなベリル)

その前提に立つとベリルの彼女に対する態度は皮肉、もしくは小馬鹿にしていると考えられます。であれば、「レディ・スピネル」という呼称は偽物であるという侮蔑を込めたものであると考えられます。

 

そしてベリルが教えた「フェッチ」及び彼女の宝具「フェッチ・フェイルノート」ですが、マテリアルではこう解説されています。

また、フェッチとはスコットランドでいうドッペルゲンガーのこと。

プロフィールより

「フェッチ」はヨーロッパの伝承で「取り替え子」を意味します。英語ではチェンジリングと表現されますが、ここではマテリアル通りドッペルゲンガーとしましょう。

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前述したようにベリルが彼女を小馬鹿にしていると仮定すると、こちらも「偽物であるバーヴァンシーがフェッチと相性バッチリ」という皮肉に見えてきます。

もしくは「取り替え子」「ドッペルゲンガー」であるからこそフェッチと相性が良いと考えていたという見方もできます。

 

「血の伯爵令嬢、マジいかれてる……。なんであんなに自分の分身持ててんだよ……普通気が狂うだろ……。ていうか、初めから狂ってんのか?」

マイルームボイスより

そしてエリザベートが存在する際のこの発言、バーヴァン・シーの元ネタである吸血鬼に対して同族嫌悪のようなものを抱いているのかもしれませんが、このセリフは「自分の分身が存在すること」に対するセリフにも思えます。

誰かの偽物、ドッペルゲンガーである彼女が、無意識に「自分の分身」という概念に嫌悪感を抱いているのではないでしょうか。

 

誰の偽物なのか

となると当然、誰の偽物なのかという話ですが、

  • バーヴァンシーという役割を与えられただけ
  • 本来の後継者の代わり

の二種類が考えられます。今回は後者を前提に考察します。

 

そもそも、何故バーヴァンシーは「妖精騎士トリスタン」なのでしょうか。

バーヴァンシーは形式上ではありますが「女王モルガンの娘」とされています。

では、何故「妖精騎士モードレッド」ではないのでしょうか。

いや、モードレッドでなくても構いません。ガウェイン、ガヘリス、ガレス、アグラヴェイン……「モルガンの子」であり「円卓騎士」であれば他にも選択肢はあります。

モルガンのプロフィールにおいても、子供の存在は明記されています。

汎人類史においては多くの子を産み、円卓の騎士を輩出した。
ガウェイン、ガヘリス、ガレス、アグラヴェインはモルガンとオークニー王の子供たちであり、モードレッドはアルトリアの血と精を用いて作られた、アルトリアを倒す為のホムンクルスである。

モルガンのプロフィールより

モードレッドはアルトリアを倒すために作られた=アルトリアのいない妖精郷では不要としても、それでもモルガンは「妖精騎士トリスタン」の名を娘に与えたのです。

これは、汎人類史を知るものからすれば「彼女は後継者ではない」「本当の子供≒後継者は別にいる」というメッセージとなりえます。

 

彼女は「女王の娘」とされ、跡継ぎとして向いていない魔術も触っています。

母に愛されようと努力するけなげな少女像と、いずれ自分のものになる王国をオモチャとして見ている姫の傲慢さが融合した魔女っ娘。

バーヴァン・シーのプロフィールより 

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しかし、汎人類史を知るもの――ベリルからすると、彼女は「女王の後継者と担がれているが子の名前すら与えられていない」ということになります。

だからこそベリルは、嘲笑の意味を込めて彼女を「レディ・スピネル」と呼び、フェッチを教えたのではないでしょうか。

何も知らず後継者であることに無邪気にはしゃぐ、偽物の存在に対する皮肉として。

 

本当の後継者はどこに行ったのか

さて、バーヴァンシーが後継者でないとすると、本当の後継者はどこに行ったのか、という疑問が浮かんできます。

先述した通り、フェッチは作中ではドッペルゲンガーを意味しますが、ヨーロッパの伝承では「取り替え子」を意味します。英語ではチェンジリングと表現されます。

そして、この単語は作中でも使われています。

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このシーンから、汎人類史から異聞帯に「漂流」することがあるとわかります。

さて、チェンジリングには「取り替え」の言葉が当てられていますが、この言葉は一方的なものでしょうか。

汎人類史から異聞帯に”漂流”するのと同時に、異聞帯から汎人類史に”漂流”する――「取り替え」という言葉からは、そう連想するのが自然です。

そう考えると、わざわざ偽物を後継者にしている問題が解決します。後継者として指名した後に、本当の後継者は汎人類史に漂流したのです。

そして、同時にバー・ヴァンシーの元となった存在が異聞帯に漂流した――バーヴァンシーの元となった存在は汎人類史の存在と考えると、彼女の他の要素に説明がつきます。

 

「聖杯……!知ってるわ。知ってるの。なんでも願いが叶うんですって!あぁ……それで村が豊かになれば、みんなも私に優しくしてくれるかしら……」

聖杯について

「バーヴァンシー……バーヴァンシー……赤い踵の可愛い娘……村のみんなの人気者……誰もが笑顔の……慰めもの……ああ……頭が……頭が痛いの……」

絆ボイス

彼女のボイスでは、「村のみんなから迫害されている」と「村の人気者」が同居しています。

彼女が本当に「漂着」した存在であればここに矛盾はなくなります。人間の村で虐待を受けていて、妖精の村で歓待を受けたのです。

各種ボイスからも、それらしい過去が伺えます。

「ああ……あああ……ああああ!思い出した……思い出した……!あんたのせいで……あんたのおかげで……全部全部思い出せた……!殺してやる……殺してやる……殺してやる……!くだらない妖精も……弱っちい人間も……みんなみんな殺してやる!見ていてお母様……私……今度こそ女王になってみせる!」

霊基再臨ボイス

「あいつらは……見つかった……?早く見つけないと……叱られる……どうしてそうなんだって……叱られる……ああ……ごめんなさい……ごめんなさい……お母様…………」

絆ボイス

「やめて……やめてやめてやめて!」

被ダメージ時

「痛くない……全然痛くない……私……まだ……生きてるの?」

戦闘不能ボイス

「早く……早く頂戴……そのガラクタを早く……お腹が減って……仕方がないの……」

勝利時

その後カルデアと同じ運命を辿り妖精の村から逃亡、名無しの森で記憶を失い、「吸血妖精バー・ヴァンシー」と「妖精騎士トリスタン」という「役割」を与えられました。

第三再臨から性格が大きく変わるのも、元々存在していた「バーヴァンシー(本物)」の人格に近づけたからと言われれば納得できます。

 

何故彼女は妖精騎士トリスタンとなったのか

モルガンが何故彼女を取り立てたかという部分については不明としても、その経緯については推測出来る材料があります。「名なしの森」です。 

「名なしの森」で自分を失った彼女に「吸血妖精バー・ヴァンシー」と「妖精騎士トリスタン」という役割を与えたのです。

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主人公のスタンスを明示しているこのシーン、メタ的な話になりますが、そもそも「マシュが以前の自分を失い元に戻らない」ということはお話としてまずありえません。

穿った見方をするのであれば、このシーンは主人公のスタンスを明示しているだけではなく、「名なしの森で名前を失い、強烈な役割を与えられ『以前の自分』に戻れなくなった人物が作中に一人以上存在する」ことを示唆しているのではないでしょうか。

そして、2部6章の登場人物で(現状)最もそれらしい描写がされているのが、他ならぬバーヴァンシーです。

 

その他の要素について

さて、ここまで考察してきてなんですが、上記の考察だけだと説明できない要素がまだあります。

「あれ……私……今まで何を……幸せな夢を……見ていた気がする……あぁ……喉が痛い……痛いの……まるで首から下が……なくなってしまったみたい……私……どうなって……るの……?」

霊基再臨ボイス

「思い出した……あたし……魔女だった……!見ていて、お母様!あぁ……でも……なんだっけこれ……」

宝具ボイス

首から下がなくなったのは妖精の歓待により肉体を分割されたとか虐待の末とか色々考えられますし、吸血鬼の側からのアプローチとしては頭と内臓だけの吸血鬼ペナンガラン等も考えられます。魔女の要素も吸血鬼からタッチ出来ますし、なんなら第三再臨の血色が異常に悪いことを踏まえると死体を再利用したことも考えられます。

キリスト教文化圏では死体は火葬されず埋葬されたため、吸血鬼の媒体になり得たと言われています。死体と吸血鬼の要素は無理なく繋げることが出来ます。

もしくは死体から吸血鬼として復活した――までは汎人類史の事象の可能性もあります。

「ああ……あああ……ああああ!思い出した……思い出した……!あんたのせいで……あんたのおかげで……全部全部思い出せた……!殺してやる……殺してやる……殺してやる……!くだらない妖精も……弱っちい人間も……みんなみんな殺してやる!見ていてお母様……私……今度こそ女王になってみせる!

霊基再臨ボイス

女王になってみせるというのは6章の結末を踏まえているのか元々の存在がそういった要素を孕んでいるのか現状確定できません。

ただ「弱っちい人間」という発言があるので、彼女の元の存在は妖精でも人間でもない、吸血鬼である可能性は否定できません。

○グレイマルキン:A
イングランドに伝わる魔女の足跡、猫の妖精の名を冠したスキル。
妖精騎士ではなく、彼女自身が持つ本来の特性なのだが、なぜか他の妖精の名を冠している。

プロフィール

そしてスキルのグレイマルキンが彼女をまた闇に包みます。

彼女本来の特性として猫の妖精(もしくは魔女の使い魔)の特性を所持していると考えると彼女は元はモルガンの使い魔という考え方も出来ますが他の要素との整合性を取りにくくなります。

「マスター……マスター……?あぁ……私のマスターのこと……やった……!私……誰かのサーヴァントになれたんだ……!」

マイルームでの会話

なんなら「え? はぐれサーヴァントだったの?」という可能性すら匂わせてきます。

 

このように、彼女の正体に繋がる”軸”のようなものは感じながらも、小さな要素が絶妙に符号しません。

となると、彼女は一つの要素で完成しているのではないのでは? という可能性が出てきます。

汎人類史から漂着した存在をベースに、バーヴァンシー、デュラハンやペナンガラン、グレイマルキンと言った要素を付加させた複合サーヴァント……村正に近い存在ではないでしょうか。

つまり、汎人類史から漂流、記憶を失い(その後死亡?)、その肉体にバーヴァンシーを始めとした各種伝承を付加して「バー・ヴァンシー」「妖精騎士トリスタン」を構築、新しい役割を経て元の自分を思い出せなくなった……このような存在であれば一応筋は通ります。めっちゃ力技。

 

結論から言えば全然わかりませんというのが正直なところですが、作中で今出てる人格が後から付与されたものっていうのは合ってる気がするんですよね。

まあ中途半端なところで切ってくれたなという感はありますが、こうして考察を楽しむ時間が生まれたのは幸いと言えます。

 

いややっぱ今すぐ続き配信してくれ。

 

さて、ここまで書いてきた内容としては以下の通りです。

  • バーヴァンシーは汎人類史から漂流した存在をベースとして作られた存在である
  • 記憶を失っている
  • 汎人類史で迫害を受けていた可能性がある
  • 吸血鬼の可能性がある

 そして、FGOではこのシチュエーションに合致する存在が一人います。そう、

 

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みんな大好きエリザベート・バートリーです。 

彼女は記憶を失い海岸に漂着、行く先々で迫害され最後にはとなった吸血鬼です。

もうおわかりですね?

 

妖精円卓領域 アヴァロン・ル・フェ、その本質は――

 

 

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つまり、妖精円卓領域・アヴァロン・ル・フェとはONILANDであり、

 

異聞帯の王・モルガンの正体も、

 

多分エリザベート・バートリーです。ぐだぐだしてきたな。

 

 

ぶっちゃけ本当に汎人類史から人間が漂流するのであれば、アルトリアこそそれっぽくありません?

*1:いちいち「・」付けるのめんどくさいから