発売まで、あと3️⃣日❗️
— 【公式】遊戯王OCG (@YuGiOh_OCG_INFO) 2019年11月6日
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決闘者の魂を受け継ぐ時、伝説のデッキは進化する❗️
歴代の主人公が使用したテーマから新カードが続々登場❗️ pic.twitter.com/t8jj7lYjqA
たまには遊戯王ブログらしく新規カードについて触れていきます。
今回は新規カード「魂のしもべ」の強力な効果
ではなく
「自分メインフェイズに墓地のこのカードを除外して発動できる」のテキストについてのお話です。
速攻魔法のスペルスピードについて
皆さんは「速攻魔法の『墓地で発動する効果』のスペルスピード」はご存知でしょうか。
墓地で発動する効果を持つ「サイレント・バーニング」のテキストを見てみましょう。
サイレント・バーニング
①:自分フィールドに「サイレント・マジシャン」モンスターが存在し、自分の手札が相手より多い場合、自分・相手のバトルフェイズに発動できる。お互いは手札が6枚になるようにデッキからドローする。このカードの発動と効果は無効化されない。②:墓地のこのカードを除外して発動できる。デッキから「サイレント・マジシャン」モンスター1体を手札に加える。
遊戯王 オフィシャルカードゲーム データベース より
- 速攻魔法なのでスペルスピードは2
- テキストに記載がなければ2で、「自分メインフェイズに発動できる」などの記載があった場合は1
- スペルスピードは1
正解は③の「スペルスピードは1」です。
「速攻魔法の基本的なルール」にあたります。
「破壊剣士の宿命」などの墓地で発動する効果や、「アーティファクト・ムーブメント」の破壊された時に発動する効果のスペルスピードは1である。
遊戯王オフィシャルカードゲーム パーフェクトルールブック2020 より
今回のお勉強は以上です。
さて、冒頭に上げた「魂のしもべ」にはスペルスピード1であることが明記され、「サイレント・バーニング」にはその旨が記載されておりません。
サイレント・バーニング
①:自分フィールドに「サイレント・マジシャン」モンスターが存在し、自分の手札が相手より多い場合、自分・相手のバトルフェイズに発動できる。お互いは手札が6枚になるようにデッキからドローする。このカードの発動と効果は無効化されない。②:墓地のこのカードを除外して発動できる。デッキから「サイレント・マジシャン」モンスター1体を手札に加える。
遊戯王 オフィシャルカードゲーム データベース より
魂のしもべ
このカード名の②の効果は1ターンに1度しか使用できない。①:自分の手札・デッキ・墓地から、「魂のしもべ」以外の「ブラック・マジシャン」のカード名または「ブラック・マジシャン・ガール」のカード名が記されたカード、「ブラック・マジシャン」の内、いずれか1枚を選んでデッキの一番上に置く。②:自分メインフェイズに墓地のこのカードを除外して発動できる。お互いのフィールド・墓地の、「守護神官」モンスター、「ブラック・マジシャン」、「ブラック・マジシャン・ガール」の種類の数だけ自分はデッキからドローする。
遊戯王 オフィシャルカードゲーム データベース より
何故このような違いが生まれたのか、以下「魂のしもべ」と「サイレント・バーニング」のテキストの違いについての考察となります。おまけです。
テキストの違いはどこから生まれたのか
単純に「ルールをテキストに明記した」のでしょう。
まず、最近のテキストはどんどんわかりやすくなっています。
「速攻魔法の墓地で発動する効果は基本的にスペルスピード1」は「基本的なルール」に含まれるため、本来であればテキストに記載する必要はありません。
「基本的なルールであれば、テキストから削除しても構わない」という点に関しては、「サーチやリクルート後のシャッフル」「処理後、魔法罠カードを墓地へ送る」などが現在は記載されていないことから、特に否定する要素はありません。
しかし、文章を削り過ぎることによってテキストが逆にわかりにくくなる場合もあります。例えば、
- 起動効果(メインフェイズ時にのみ発動できる)
- コストなし
- 効果処理で自身をリリースする
といった効果があるとします。
本来であれば「①:自分メインフェイズに発動できる。このカードをリリースし、~する」といったテキストになります。
では、このテキストから「自分メインフェイズに発動できる」の一文を無くしたとしましょう。
すると、「①:このカードをリリースし、〜する」というテキストになります。
このテキストでは「自身をリリースするのはコスト? 効果? テキストの書き方が元に戻ったの?」といった話になりかねません。本来であれば不要なはずのテキストを削ったのに、ユーザーの理解を妨げてしまいます。
このような事態を避けるため、最近のテキストでは「コストの有無に関わらず、起動効果は『自分メインフェイズに〜発動できる』もしくは『1ターンに1度、発動できる』というテキストで統一しよう」といった話になっているのかもしれません(あくまで推測です)
とすれば、「魂のしもべ」の「自分メインフェイズに墓地のこのカードを除外して発動できる」というテキストは、「本来であればスペルスピード2の効果を1にするため記載されている」のではなく、
「元々スペルスピードは1という基本ルールをプレイヤーのために明記した」
「テキストを統一すべく、発動タイミングを明記した」
と考えられます。
速攻魔法の墓地効果の変遷
ここで「剣闘獣の底力」のエラッタ前後のテキストを見てみましょう。
旧テキスト
自分フィールド上に表側表示で存在する「剣闘獣」と名のついたモンスター1体の攻撃力はエンドフェイズ時まで500ポイントアップする。自分の墓地に存在する「剣闘獣」と名のついたカード2枚をデッキに戻す事で、自分の墓地に存在するこのカードを手札に戻す。
最新テキスト
自分フィールド上の「剣闘獣」と名のついたモンスター1体を選択し、その攻撃力をエンドフェイズ時まで500ポイントアップする。また、このカードが墓地に存在する場合、自分のメインフェイズ時にこのカード以外の自分の墓地の「剣闘獣」と名のついたカード2枚をデッキに戻す事で、墓地のこのカードを手札に戻す。
遊戯王 オフィシャルカードゲーム データベース より
収録はそれぞれ
・CRIMSON CRISIS(2008年)
・DUELIST EDITION Volume 3(2012年)
となっています。
また、《サイレント・バーニング》が収録された「デュエリストパック-王の記憶編-」の発売は2016年となっています。
そして、《魂のしもべ》が2019年に誕生しました。
となると、「速攻魔法の墓地発動の効果が起動効果かどうか」のテキストは、
- 特に記載が無い(剣闘獣の底力)
- 「自分メインフェイズに発動できる」(剣闘獣の底力テキスト整備)
- 特に記載が無い(サイレント・バーニング)
- 「自分メインフェイズに発動できる」(魂のしもべ)
と推移したということになります。試行錯誤してますね。
「基本ルールが周知されていなかったためテキストを整備した」→「そろそろみんな速攻魔法の墓地効果は起動効果だって覚えてくれたかな?」→「やっぱ明記するか」のような流れがあったりなかったりしたのかもしれません。
となると、「サイレント・バーニング」は、試行錯誤によるテキストのサイレント修正を受け、プレイヤーの誤解をバーニング! させてしまった可哀想な被害者だったのかもしれません。
え?