かしこまメガトンパンチ

遊戯王とマンガ中心の雑記ブログ

【遊戯王】《マジシャンズ・ソウルズ》は空撃ちにならないの?

デュエリストパック-レジェンドデュエリスト編6-、発売。

 

面白いQ&Aがあったので、今回はそのご紹介と解説です。カードはこちら。

マジシャンズ・ソウルズ

このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。①:このカードが手札にある場合、デッキからレベル6以上の魔法使い族モンスター1体を墓地へ送り、以下の効果から1つを選択して発動できる。●このカードを特殊召喚する。●このカードを墓地へ送る。その後、自分の墓地から「ブラック・マジシャン」または「ブラック・マジシャン・ガール」1体を選んで特殊召喚できる。②:自分の手札・フィールドから魔法・罠カードを2枚まで墓地へ送って発動できる。墓地へ送った数だけ自分はデッキからドローする。

遊戯王 オフィシャルカードゲーム データベース より

デッキのレベル6以上の魔法使い族モンスターをコストに、自身を特殊召喚するか、ブラマジ師弟を擬似的にリクルートする効果を持つ新規カードです。
そして今回の内容ですが、

■自分の墓地に「ブラック・マジシャン」または「ブラック・マジシャン・ガール」が存在しない場合でも、この効果の発動時にコストとしてデッキから「ブラック・マジシャン」または「ブラック・マジシャン・ガール」を墓地へ送り、『●このカードを墓地へ送る。その後、自分の墓地から「ブラック・マジシャン」または「ブラック・マジシャン・ガール」1体を選んで特殊召喚できる』効果を選択して発動する事ができます。

遊戯王 オフィシャルカードゲーム データベース より

これは空撃ちに当たらないのか、というお話です。

 

Answer
自分の墓地に特殊召喚が可能な、攻撃力2000以下の戦士族モンスターも、攻撃力2000以下の魔法使い族モンスターも存在していない場合には、「魔装戦士 ドラゴノックス」のモンスター効果を発動する事自体ができません。

対象として適切なモンスターが自分の墓地に存在する状態であれば、「魔装戦士 ドラゴノックス」のモンスター効果を発動し、その発動する際に、コストとして捨てた、攻撃力2000以下の戦士族モンスター、または、攻撃力2000以下の魔法使い族モンスターも対象とする事ができます。

遊戯王 オフィシャルカードゲーム データベース より

同様の効果を持つ「魔装戦士 ドラゴノックス」は元々墓地に対象となるカードがなければ発動が出来ませんし、

Answer
「ダイガスタ・エメラル」のコストとして取り除いたエクシーズ素材を効果の対象として選択して発動する事ができます。
また、墓地にモンスターが2体しか存在しない場合、エクシーズ素材を取り除いて「ダイガスタ・エメラル」の効果を発動する事はできません。

遊戯王 オフィシャルカードゲーム データベース より

「ダイガスタ・エメラル」も墓地にモンスターが2体しか存在しない場合は発動が出来ません。

コストを支払った時点で適切な処理が出来るようになったとしても、支払う前に処理が出来ることが確定していなければ効果を発動することは出来ません。

 

「マジシャンズ・ソウルズ」最強か?

 

と、一見するとそう見えます。

しかし、このカードは巧みなテキストにより空撃ち扱いされることを回避しています。

 

「マジシャンズ・ソウルズ」の効果処理

さて、改めてテキストを確認してみましょう。

①:このカードが手札にある場合、デッキからレベル6以上の魔法使い族モンスター1体を墓地へ送り、以下の効果から1つを選択して発動できる。
●このカードを特殊召喚する。
●このカードを墓地へ送る。その後、自分の墓地から「ブラック・マジシャン」または「ブラック・マジシャン・ガール」1体を選んで特殊召喚できる。

遊戯王 オフィシャルカードゲーム データベース より

発動条件は「このカードが手札に存在する」、発動のためのコストは「デッキからレベル6以上の魔法使い族モンスター1体を墓地へ送る」です。

効果が「このカードを墓地へ送る。その後、自分の墓地から「ブラック・マジシャン」または「ブラック・マジシャン・ガール」1体を選んで特殊召喚できる」ですね。

一見すると「『マジシャンズ・ソウルズ』を墓地に送ることで、墓地のブラマジ師弟を特殊召喚する効果」に見えます。

しかし、このカードのテキストは非常に上手く書かれています。
効果としては実質的なリクルートですが、

 

「このカードを墓地へ送る」

 

ここで効果処理が一旦終了します。
言い換えると、「手札のこのカードを墓地へ送って発動できる。デッキからレベル6以上の魔法使い族モンスター1体を墓地へ送る」と処理としては同じような効果です。

そこにおまけとして、「その後、自分の墓地から「ブラック・マジシャン」または「ブラック・マジシャン・ガール」1体を選んで特殊召喚できる」がついています。

雑に言えば「デッキからレベル6以上の魔法使い族モンスター1体を墓地へ送れば手札のこのカード墓地に送ってもいいよ。その後、ブラマジ師弟が墓地にいたら蘇生してもいいよ!」となります。
実質的には手札の自身をコストにしたリクルートですが、テキストにより上手く空撃ちを回避しています。

 

そんな面倒な処理にした理由は?

単純にリクルートにすると、「ブラマジ師弟を除いたレベル6以上の魔法使い族モンスター」に触れなくなりますね。
最近増えてきた「カテゴリで使うことを想定しているが、カテゴリ外のサポートにもなっている」というデザインの一つです。

そしてもう一つが、灰流うらら」に引っかからない、という点でしょうか。

 

「屋敷わらし」には引っかかるんですけど。

 

さいごに

遊戯王の「裁定」(公式のQ&A)は「基本ルールとして設定されたものが各カードに振り分けられている」が殆どです。
新パックを売るために「マジシャンズ・ソウルズ」は空撃ちでもOKにしよう、ということではありません。

「イレカエル」と「メンタルマスター」のようなよくわからない裁定が出ていたのも事実ですが、近年の製作側の努力は目をみはるものがあるので、今後も「マジシャンズ・ソウルズ」のような「ちょっとした誤解」を当ブログを通じて解消していけたらと思っています。