かしこまメガトンパンチ

遊戯王とマンガ中心の雑記ブログ

【遊戯王】霊使いデッキにリバースするカードは本当に必要なのか

精霊術の使い手、発売――(2回目)

 

ストラクチャーデッキが発売され、皆さん【霊使い】の構築に頭を悩ませていることかと思います。

  • 霊使いを場に出力するカード
  • 霊使いをリバースするカード

リバーステーマゆえ、これらの要素は当然のように要求されます。何で霊使いをリバースするか、どのようにそれらにアクセスするかなど、構築の悩みは尽きません。

 

しかし、その要素は本当に必須でしょうか。

 

繰り返しになりますが、【霊使い】に必要な要素は、

  • 霊使いを場に出力するカード
  • 霊使いをリバースするカード

の二点が筆頭になります。

当たり前だと思うでしょうが、これはストラク発売以前の【霊使い】では「相手ターンのエンドフェイズに霊使いをセットする」という動きが安定して行えなかった、という点に起因します。

つまり「自分ターンにセットしてそのままリバース」「自分ターンにセットして相手ターンにリバース」の二点を軸に据えることになります。自分ターンにセットした霊使いが、ターンを跨いで自分ターンまで残っていることを期待出来ないからです。

しかし、相手ターンにリバース(妨害として使用)する動きを採用すると、「奪ったモンスターを奪い返されないようにする方法」が求められてきます。

他のコントロール奪取系カードと比較した時、霊使いの強みでもあり弱みでもあるのは「条件付きの永続奪取」という点です。「霊使いが除去されるとコントロールを奪い返される」という点は明確に弱みです。そのため、相手ターンにリバースする動きを採用した場合、「霊使いを守る手段」「奪ったモンスターを活用(処理)する手段」が求められることになります。

この「処理する手段」ですが、自分ターンであれば2017年にある程度の解決を得ました。リンク召喚の実装です。逆に、リンク召喚登場以前の【霊使い】では安定した処理手段はありませんでした。

リリースするか? セルフブレイクするか? それとも他の方法で除去するか?

奪ったモンスターの処理としては最強レベルである「妖精伝姫-シラユキ」も、【霊使い】が展開を要求するデッキでないことから「コストが捻出できない」という悩みがつきまといました。モンスターを次々出力していくデッキタイプで無い【霊使い】にとって、7枚というコストは決して軽くはありません。

 

話を戻しますが、【霊使い】において「奪ったモンスターをどう処理するか」という点は常に意識しなければなりません。

自分のターンだけで言えば、ストラクチャーデッキ一応ここに回答を用意しています。「憑依装着」の収録です。霊使い+同じ属性のモンスターが揃っているのだから「憑依装着」を出してね、とデザインされています。「大霊術-『一輪』」の「魔法使い族モンスターをデッキに戻せる」という効果はそのために用意されているのでしょう。少し手を伸ばせば、霊使いのリンク体も奪ったモンスターの処理手段になります(加えて、そのまま釣り上げられるので完全奪取にできます)

しかし、相手ターンにモンスターを奪った場合、そのモンスターをどう処理するかという点については「霊術」と「皆既日食の書」のみとなっています。

「妖精伝姫-シラユキ」を採用すれば一見問題はありませんが、先述した「【霊使い】が展開するデッキでない(墓地にカードが溜まらない)ためコストを用意できない」という点と「墓地リソースも活用するため除外がアンチシナジーになる」という点が頭を悩ませます。

 

となると、

  • 相手ターンに奪ったモンスターをどう処理するか?
  • 処理手段を用意しない場合、一瞬奪ってテンポを崩すまでに留めるか
  • そもそも「相手ターンに霊使いをリバースして妨害として使う」というプランを採用すべきか?

これらが次の問題に浮上してきます。「太陽の魔術師エダ」を例に出しましょう。

太陽の魔術師エダ

このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。①:このカードが召喚・リバースした場合に発動できる。手札・デッキから「太陽の魔術師エダ」以外の守備力1500の魔法使い族モンスター1体を裏側守備表示で特殊召喚する。②:相手メインフェイズに発動できる。自分フィールドの裏側表示の魔法使い族モンスター1体を選んで表側攻撃表示または表側守備表示にする。

このカードは、「霊使いを出力する手段」「相手ターンにリバースする手段」を持っており、一見すると非常に有用なカードです。しかし、霊使いを守れない・奪ったモンスターを処理できないのです。

こいつで霊使いを構えてもミノタウルスが2体出てきただけで崩壊します。

 

さて、エダ採用しますか?

 

採用する場合、「霊使いを守る手段」「奪ったモンスターを処理する方法」のどちらかが求められます。逆に言えば、それらも同時に引けなければ弱い、ということになります。それらを先引きして腐るという事故もつきまといます。

これはエダに限らず「霊使いをリバースする手段」全てに言えます。加えて「霊使いをリバースする手段」と「処理する方法」もしくは「霊使い」と「処理する方法」の間にシナジーを生み出すことが難しく、先述したような事故もつきまといます。

 

更に、リターンがどの程度あるのか? という点も悩みのタネです。最近公式で上がった動画がわかりやすいので見てみましょう。


【遊戯王】ストラク改造デッキで憑依覚醒が真の力を見せる!霊使いVS憑依覚醒【対戦動画】ドラゴンスター サテライトショップチャンネル

ストラクの販促として公開されたであろうこの動画。

4:30、「憑依装着ヒータ」が見える相手の盤面に対し、「太陽の魔術師エダ」の効果で、デッキから守備力1500の魔法使い族――

 

玄武の召喚士を、セットします」

 

~完~

 

この動画に関しては

  • 相手のデッキのモンスターの属性に合う霊使いが投入されていない

という点もあるでしょう。

しかし、ここで考えてほしいのは「ヒータを出せたら強かったのか」という点です。

 

まあ弱いんですよ。

 

「守備力1500のモンスターをデッキからセットできる」「相手ターンにリバースできる」と一見すると相性がいいように見えますが、ドブ川を見て「水だから飲める」と判断するくらいの浅慮です。霊使いの「このモンスターが表側表示で存在する間」というテキストが全てオジャンにします。

つまるところ、相手ターンにリバースする動きを採用すると、同時に「霊使いを守る手段」「奪ったモンスターの処理手段」が要求され、それらの要素が事故要因となり、成立したとしてもリターンが少ない――ということになります。

であれば、「リバースする方法」「処理する方法」を詰め込んで少ないリターンと引き換えに事故率を上げるくらいであれば、「相手ターン(エンドフェイズ)に霊使いを出力、自分ターンに反転召喚、奪ったモンスターで憑依装着」という流れに集中した方がよっぽどシンプルにまとまります。

 

このコンセプトを体現しているのが、今回の新規です。

 

自身が霊使いを出力でき、「憑依連携」も同時にサーチできる「精霊術の使い手」、「精霊術の使い手」で出力した(=相手のデッキに多いであろう属性の)霊使いを再利用でき、霊使いを守る手段も用意できる「憑依連携」。

この2枚により、これまで苦手としていた「相手ターン(エンドフェイズ)に霊使いを出力、自分ターンに反転召喚してコントロール奪取する」という動きを安定して行えるようになりました。

更に、ストラクには霊使いの効果を通しやすくするように「大霊術-『一輪』」「冥王結界波」「次元障壁」が採用されています。

つまり、「リバースするカード」「処理するカード」を用意し、事故率を上げるくらいなら、「霊使いを出力する手段を増やし、自分ターンで反転召喚する」というコンセプトに絞ってはどうか、というのが今回の新規収録カード――もとい、【霊使い】の入り口である「ストラクチャーデッキ」の提言なのでしょう。

 

それでも、「太陽の書」や「ADチェンジャー」くらいは採用しても良かったのでは? と思うかもしれません。

しかし「霊使い」をリバースする目的でそれらのカードを採用した場合、それらのカードは、

  • 自分の場に裏側表示の霊使いが存在し
  • 相手の場に同じ属性のモンスターがいる場合に
  • 条件付きのコントロール奪取する
  • スペルスピード1のカード

ということになります。精神操作って知ってる?

強化されたとはいえ、ほぼ下位互換のようなカードを許容するパワーは正直なところ【霊使い】にはありません。

  • 繰り返し使える
  • 相手ターンでも使える

このどちらかを満たして初めて実用ラインに届くレベルです。

 

実際、新規により「霊使い」を出力する手段が増えたので、「相手ターンに出力、反転召喚でコントロール奪取」の択を採用できるようになりました。これまで「出力手段」+「リバースする手段」の二枚要求で相手モンスター一枚奪取だったのに対し、エンドフェイズにデッキから直接出力することで「リバースする手段」を用意しなくて済むのがシンプルに強いです。

とりあえず【霊使い】を組んでみたい、遊んでみたいという方は、

  • 霊使いを出力するタイミングをなるべく相手エンドフェイズにする
  • 精霊術の使い手と憑依連携をかき集める
  • 相手ターンのリバースはいっそ捨てる

辺りを意識して、あとは残った枠と召喚権好きに使って戦線維持とか相手展開の遅延してたらストレス無く ”遊べる” デッキが生まれると思います。

ちなみに、自分が使ってる構築は「霊使いを出力する手段」+「リバースする手段」+「処理する手段」のプリウスも真っ青の構成をしていますが揃った時の最大値は当然リバース無しよりは強いです。そんな上振れお祈りデッキですらエダは採用していないので各種要素のバランス取りの難しさお察しと言ったところです。

まあエダの不採用は召喚権を使うのにリターンが少ないので初動としての採用理由が無く、後半になるとそもそも霊使いがデッキにいないしで使う理由が薄いという個人的な評価にも拠ります。召喚権使うなら他のカード採用する方がデッキ全体としてのパワー上がると思いますし、処理する手段に枠割かないならそもそも採用する意味が無いと思います。

何より特殊召喚に対応していないので憑依解放から霊使い呼んでリバース、みたいなこともしにくいですし、相手メインフェイズ限定なのでバトルフェイズに憑依解放→エダ→霊使いと動こうとしてもエダにリバースする効果を使わざるをえないので霊使いがリバース出来ないなど、相性の良い効果を詰め込んだけど超えちゃいけないラインをしっかり調整した結果全部弱くなったという奇跡のカードだと思っています。もうちょっとなんかあっただろ。

とはいえ前述したように「精霊術の使い手」「憑依連携」のパワーが高いので、【霊使い】は以前より圧倒的に安定感も動きの柔軟性も上がりました。是非皆さんも一度触ってみてください。

最後に。霊使いのレシピ

 

ではなく

 

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リヒトラブ ケーブルホルダー マグネット付き ネイビー A7758-11

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  • メディア: オフィス用品
 

是非皆さんも【霊使い】を組んでみてください。かしこま。