【ワールドトリガー】205話：二宮のチーム編成について考察
二宮、そんなに勝つ気無いのでは？
激アツのランク戦が終わり、激アツの陽太郎過去話が終わり、激アツのチームシャッフルが始まり、ここまで土台が出来ているのであれば一話丸々小南のカレー食ってるだけでも面白そうとすら感じるワールドトリガー。
細かい部分が伏線となっている本作、二宮の指名も戦闘力以上の意味を感じたので今回はその考察です。
前204話で二宮が指名したのは東・千佳のスナイパー二人で、やや偏ったチーム編成となりました。
スナイパー二人＋射手（＋α）の構成で言えば嵐山隊が類似していますが、結果として最終メンバーはスナイパーの絵馬に。嵐山隊の最後の一人は木虎（オールラウンダー）なのでこれまでとは違った戦い方になりそうです。
さて、千佳を指名した時点でのプールですが、二宮は指名２番手だったので選び放題な状況ではありました（指名されていたのは遊真のみ）
生駒・菊地原より優先して千佳を指名した部分に関しては戦術的な絡みもあるので考察する意義は薄いでしょう。「スナイパー二人が欲しかった」と言われれば千佳か太一の二択になるので千佳を選ぶのは当然かと思います。第２試験は最長36時間の戦闘訓練のため、トリオン量を優先するのは合理的な選択と言えます。
千佳を指名すると必然的に「第３プールのヒュースを取れる可能性」が０になるので、そうまでしてでも千佳を取った以上「スナイパーを揃えたかった」にもある程度の説得力が生まれます。
違和感があるのは「あとは誰でもいい」発言です。
残ったメンバーですが、
- 絵馬（スナイパー・トリオン６）
- 帯島（オールラウンダー・不明）
- 巴（ガンナー・トリオン５）
- 南沢（アタッカー・トリオン不明）
であり、トリオン量に関して特筆した描写がある人物はいないため、トリオン量優先の選択をしていれば「誰でも同じ」という見方も出来ます。
しかし、ポジションもばらけている以上「あとは誰を選んでも同じ」とはならないでしょう。
そもそも戦術を重視する二宮が有利な指名順の中でこのメンバーを選び、かつ「誰でもいい」とするためには、「二宮＋東＋千佳」で戦術が完結している必要があります。
千佳が人を撃てるという前提に立てば、最終戦直前にヒュースが提案していたような「味方が守って千佳がひたすら炸裂弾と誘導弾を撃ち続ける」という戦術が成立します。二宮が護衛、千佳が爆撃、射線の通った敵を東が狙撃。戦闘試験がどのような条件になるか不明な以上、シンプルな
しかし「二宮が合成弾を撃つ時は誰かが護衛している」という最終戦の解説を踏まえると、中～近距離が自分以外にチームに存在しないというのは、ある意味「切れるカードを一つ減らしている」と敵に伝えているようなものです。
「（狙撃手の）絵馬以外なら誰でもいい」ならわかります。「絵馬以外は近～中距離できるから実力的にも誰選んでも同じ」と考えれば辻褄は合います。しかし、それでも二宮は「誰でもいい」なのです。ましてや、採れる戦術が偏るであろう絵馬を選んでいます。
であれば、そもそも二宮のチーム編成は「戦闘試験での勝利」以外の目的があるように思えてきます。
自分・東・千佳がメンバーになった時点で「あとは誰でもいい」が成立する、戦闘以外の理由と言えば一つ。
「千佳の育成」です。
東と千佳を獲得した時点で必要な条件は揃っています。スナイパーとしての「師匠」と、その指導を受ける「教え子」は確保できました。結果として「あとは誰でもいい」となるのも不自然ではありません。誰を指名しても千佳の育成に関わってこないからです。
動機としては絵馬と同じく「鳩原未来のようになってほしくない」ということが挙げられます（14巻119話より）。二宮の内心は描かれていませんが、絵馬と同じチームになったことでその辺が描かれる可能性もありますね。
そして「絵馬は雨取と仲が良い」発言、一見すると絵馬のことを気にかけているように見えます。
しかし「千佳の育成」に目線を移すと、「千佳と仲が良いメンバーは誰か」という見方もできます。閉鎖環境試験での千佳のケアを意識した人選です。
つまり二宮のチームは
- 千佳
- 千佳と同じポジションの先輩
- 千佳と仲の良い人物
が揃ったことになります。戦術的に偏ったメンバー、そして「誰でもいい」発言を踏まえると、やはり二宮は（結果的かもしれませんが）「千佳の育成」を目的として指名をしていたのではないでしょうか。
但し、二宮が本当にスナイパーのチームを作りたかった可能性も否定できません。
二宮隊のオペレーターは荒船隊（全員スナイパー）の加賀美です。
つまり、「戦闘員４人」での戦術を考えたのではなく、「加賀美に合わせたメンバー」を選出したという可能性もなくはないです。
とは言えそれでも「誰でもいい」とはならない（むしろ絵馬を取るべき）ので、やはり「千佳の育成」を考えているのではないでしょうか。
とにもかくにも第１試験、
「一緒に遠征に行きたくない人：香取葉子」
修と香取の共同生活が楽しみです。
